溶解処理に出す、その前に・・・
機密文書の廃棄処理 =(イコール) 溶解処理
まずこの様に思うのではないでしょうか。しかし、この溶解処理に注意が必要な数々のリスクが存在することをご存知でしょうか?
今回はこの”溶解処理の落とし穴とも言えるリスクにフォーカスをし、どのような観点で業者選択をすれば安全な処理ができるのかをご案内して参ります。
内容は大きく以下の4点で構成しております。
✅ 溶解処理の事故事例
✅ 情報漏洩事故(事件)の原因
✅ 知られていない溶解処理のホント
✅ 溶解処理で失敗をしない6つポイント
溶解処理の事故事例
2016年1月8日 広島県養護施設にて/運搬のリスク
2015年3月16日 山形県寒河江市にて/運搬のリスク
16日午後3時15分ごろ、寒河江市の県道で、大量の書類が散乱していると警察に通報があった。書類は、走行中のトラックの荷台から路上に落下して散らばったもので、中には、公立学校の教員の給与明細もあり、金額や名前などの個人情報が記載されていた。
山形県の村山教育事務所によると、当時、トラックの荷台には合わせて約480キロ分の書類があり、その半分近くが路上に散乱した。
これらの書類は、廃棄するため清掃工場に運搬中だったということで、運転していた職員が操作を誤って荷台を動かしてしまい、路上に落下した。散乱した書類はすべて回収されたという。 日テレnews24より
この他の事故事例
昨今溶解処理の事故事例が顕在化して参りました。一部をご案内させて頂きましたが、この他にも多く事例はありこちらよりよりご確認頂く事が可能です。是非ご確認下さい。
情報漏洩事故(事件)の約80%が内部的要因
昨今、不正アクセス、ランサムウェアなどITに関する要因にて情報漏洩が発生しているとの情報が多く伝えられています。
しかし、実際にはこちらの表のように「管理ミス」「誤操作」「紛失・置き忘れ」などのヒューマンエラーが原因で事故が発生しているのをご存知でしょうか。世間に大きく伝えられていないことが余計に事故の件数を増加させている原因ではないかと思われます。
この不注意による情報漏洩事故は、機密文書を処理する業者にも同様に言えるのです。
処理スタッフの知識や意識がなければいい加減な仕事となり、事故へとつながるのです。
機密文書を処理する業者はセキュリティの事を何でも知っているプロだと思われるのは当然と思いますが、必ずしもそうではないこともあるのです。また、会社としてはプライバシーマーク等の取得をし対応をしていても、実際に処理を行う(機密文書を回収する)スタッフにまで教育が行き届いているケースの方が少ないのではないでしょうか。自社に置き換えて下さい。末端の社員までセキュリティ意識を持たせるのは至難の業です。こう考えればいくつかの事例に見るように、リスクが見えてくるのではないでしょうか。
参考資料:『2016年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書~個人情報漏洩編~』NPO日本ネットワークセキュリティ協会調査
知られていない溶解処理のホント
即日溶解処理がされず、積み置きされることがある。
【事例】
毎月数トンの機密文書の廃棄を行っている企業様
✅毎月トラックの後ろを2台の車で立会いをしている ✅製紙会社にて機密が廃棄されるのを確認する
※このお客様が目の当たりにした現実
【お客様より】 我々は立会いにきているのでその場で処理をしてもらえるが、そうでないトラックがほとんど、そのトラックが運んできた文書は積み置きをされている。立会いをしなかったら大変な事になるので、面倒ではありますがせざるを得ません。 |
このお客様は弊社の行う出張型シュレッダー処理を希望されたのですが、予算が足らずに溶解処理を選択されました。運用が始まり数か月経った後に訪問した際に、お客様から聞かせてい頂いたお話がこの内容です。
製紙会社 ≠ 機密廃棄が仕事
しかし、これは当然のお話で、製紙会社の仕事は「製紙」。紙を作ることです。機密文書を溶解処理するのはあくまで製紙原料の仕入れなのです。例えば一日の製紙に対する予定の原料がオーバーすれば翌日の原料になります。こういった理由から当日処理が行われないことがあるのです。
こういった様々なリスクが実際には付きまといます。では、どのようにこれらのリスクを回避すればいいのでしょうか。
溶解処理で失敗しない為の6つのポイント
ポイント① 立会いの重要性
立会いをしてください。
立会いは少しでもリスクを低減します。
理由は上記事例のように立会いすることにより必ず当日溶解処理が行われます。また、処理業者の気のゆるみも回避されるでしょう。しかし、運搬道中の事故が発生した場合は全て回収できる保証はありません。特に高速道路などで散乱した場合、車を停めることで二次的参事的事故が発生する可能性もあります。あくまで事故の発生を隠蔽から守り、即時に報告をあげることができます。これらも大きなメリットではないでしょうか。
ポイント② 出来るだけ近い場所の製紙会社を選択
運搬距離が長ければリスクUP
できれば製紙会社を指定して下さい
製紙会社といってもどこでも溶解処理を受け入れている訳ではありません。広く受入れをされている製紙会社は主に家庭紙と言われるトイレットペーパーなどの中堅製紙メーカー様です。関西では数社様が広く溶解処理の受け入れをされています。排出場所からの運送距離がより短いほど、運搬途中の散乱や紛失等のリスクが下がります。
ポイント③ 即日処理の約束を
積み置きリスクの回避
処理の発注をする前に、当日処理の確約を取り付けて下さい
「業者任せ」ではリスクが下がりません。「〇〇だから大丈夫だろう・・・」ではなく、自社でリスクを下げる術を知り、実行することにより安心・安全な処理が実現します。これから選択される業者さん、またはいつの依頼している業者さんに一度どのような処理になるか確認をすることが必要です。特に小口処理の場合は、製紙会社に到着するまでにも大きなリスクが存在します。
ポイント④ 処理当日は下請け業者が・・・
下請け業者に運搬を振るケースは要注意
事故の可能性がUPすることもある
契約業者と運搬業者が違うケースがあります。要は元請け業者がその仕事を下請け業者に振るケースです。この場合、下請け業者がセキュリティ対策を行っている場合はまだいいのでですが、そうでない場合には「荷物を運ぶのと同じ扱い」になる場合もあります。機密廃棄を行う仕事と認識がされているかが重要となります。
ポイント⑤ 小口溶解処理は保管方法にも注意が
段ボールで溜めることに問題が
適正な文書の保管方法と見なされない
オフィスセキュリティにおける紙データの保管に求められる方法は「鍵付きの保管庫」です。小口溶解処理のほとんどが段ボールを購入し、そこへ今まで「シュレッダー処理をしていたものを入れるように。」このような運用となります。機密情報が施錠されない容器で保管される。すなわち誰でもこの情報にタッチできるということになります。万が一誰かが段ボールで溜められた情報を持出し不正利用を行ったら。当然会社に被害が発生することになるのですが、適正な保管と見なされず泣き寝入りせざるを得ない可能性が高いのです。
ポイント⑥ 依頼会社のセキュリティ教育
処理スタッフがセキュリティを理解しているのか
機密を廃棄する業者は失敗が許されない
ポイント⑥が一番重要かもしれません。情報漏洩の原因でも申し上げましたが、情報漏洩の80%は人的要因であり、それは処理を行う業者にも同様に言えることなのです。「知識」と「意識」が伴っているスタッフとそうでないスタッフ、仕事の進め方も大きく変わってきます。例えば製紙会社で当日処理が出来ない旨を伝えらえる。セキュリティ意識がなければ「はい。わかりました。」でしょう。しかし、理解をしているスタッフならば何とか当日処理を行ってもらえるように折衝を行うのではないでしょうか。これは大きな違いを生みます。機密廃棄を行う業者は失敗が許されません。そういった意味からも従業員教育が行き届いている業者を選択すべきなのです。
まとめ
6つのポイントのまとめです。再度ご確認下さい。
弊社主催の勉強会ではもう1つプラスしてご案内をしておりますが、これら6つのポイントを実行するだけでリスクは大きく低下します。皆様の情報漏洩のリスクを少しでも下げるお役立てとして頂ければ幸いです。
ポイントを追加した【勉強会】を開催致します。
アリビオ主催勉強会のご案内
上記内容をより詳しくお伝えするために勉強会を開催致します。
1/23(水) 無料開催
~文書廃棄における漏洩事故対策~
溶解処理に出す前に知っておきたい、
失敗しない為の7つのポイント
講師:株式会社アリビオ
代表取締役(個人情報保護士)
寺元勇二
株式会社アリビオの寺元です。今回の勉強会は、最近目に付くようになりました「溶解処理における情報漏洩事故」につき、どのような対策でリスク対策をするのか、事例を交えてお伝えしてまいります。
例えば下記のような事例が最近発生しています。
2018年5月 | ●●電力 運搬中の高速道路で飛散させる |
2018年4月 | 大阪●●局 大阪市内で機密書類が発見される |
2018年4月 | ●●ガス 保管期限が過ぎた料金リストを運搬中紛失 |
上記はほんの一部でインタ-ネット検索などで探せば多くの事例が出て参ります。こうなれば「業者任せ」では問題があります。
「しかし、何をどのように対策をすればいいのか・・・・」
「どんな業者なら安心できるのか・・・・」
実際にはこんな思いではないでしょうか。
この勉強会では、上記内容にポイントをもう一つ追加した7つのポイントの解説をして参ります。
ウェブページでは伝えきれない内容を、より多くの事例も含めてご紹介致します。
少人数で開催しますので、通常お話が出来ないようなお話も致しますので是非ご参加頂き、今後のリスク対策につなげて下さい。
■開催概要■
日 時 | 1月23日(水) 15:00~17:00 |
場 所 | グランフロント大阪北館 ナレッジキャピタル7階 ナレッジサロン内プロジェクトルーム |
定 員 | 先着6名様 |
■カリキュラム■
溶解処理に出す前に知っておきたい、 失敗しない為の7つのポイント 講師:株式会社アリビオ 個人情報保護士 寺元勇二 |
などを予定(若干内容が変更する場合もございます。) |
■講師紹介■
寺元勇二 株式会社アリビオ 代表取締役(個人情報保護士) プロフィール平成元年近畿日本ツーリスト㈱入社。12年間団体旅行の営業と添乗業務にて営業や接客のノウハウと取得。その後、当時のお客様の会社にて「出張型 機密文書シュレッダー処理サービス」の事業立ち上げを行う。平成23年独立をし株式会社アリビオを立ち上げる。「情報漏洩の80%以上はヒューマンエラー。それは処理業者も同じ」をモットーに質の高いサービスを提供。平成29年には三井住友海上開催保険主催のサーバーセキュリティセミナーの講師なども行う。 |
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